エントリー先のリストを眺めて、一社を外す。ESの設問が難しそうだからでも、社風が合わなそうだからでもない。「うちの大学じゃ、たぶん無理」。そう思ったときには、もう指が動いている。
学歴フィルターについては、「ある」「ない」という話になりがちです。ただ、自分の志望先で実際にどうなのかを確かめないまま、エントリーするかどうかを決めている人もいるかもしれません。
この記事では、学生と企業それぞれへの調査をもとに、大学名を理由に応募先を外す前に確かめておきたいことを考えてみます。
学歴フィルターを感じたことがある大卒者は45.5%
日本労働組合総連合会(連合)が2026年4月に行った調査では、出身学校名で応募者を振り分け、選考の対象にするかどうかを決めることを「学歴フィルター」と呼んでいます。特定の大学の学生しか説明会やセミナーに参加できない、といったことがその例です*1。
この調査は、最近3年以内に新卒または中途の採用試験を受けた15〜29歳の1,000人に聞いたものです。就職活動をしていて学歴フィルターを感じたことがあるかを聞くと、最終学歴が四年制大学・大学院の人では45.5%が「ある」、54.5%が「ない」と答えました*1。
学歴フィルターを感じたことがある大卒者は4割台半ばで、感じたことがない人のほうがやや多くなっています。同じ就職活動をしていても、受け止め方は人によって分かれているといえます。

特定の大学に重点を置く採用の多くは「重点校採用」
企業の側に聞いた調査もあります。9年前の数字なので、いまの状況とは違う可能性がありますが、HR総研が2017年3月に企業の人事担当者に聞いた調査では、特定の大学層の学生に特別な施策を行う重点採用を実施している企業は、全体で39%でした。従業員1,001名以上の大企業では56%、300名以下の中小企業では26%です*2。
同じ調査によると、こうした企業は、就職ナビや合同企業セミナーなどで広く応募者を集めながら、特定の大学については学内企業セミナーや研究室訪問などで個別に接点をつくる、という形です。特定の大学の学生からしか採用しない「指定校採用」をとる企業は少なく、ほかの大学からは一切採用しないという企業は少数派だと説明されています*2。
特定の大学に重点を置く企業でも、多くはほかの大学からの応募を受け付けたうえで採用しています。重点校の学生には、学内セミナーなどで企業と接する機会が多く用意されている、という違いがあるわけです。
自分の大学からの採用実績は調べられる
企業が特定の大学に重点を置いているかどうかは、外からはまず分かりません。連合の調査が「感じたことがあるか」と聞いているように、学生の側からは、説明会の予約が取れない、連絡が来ないといった経験から推し量るしかないのが実情です。
それに比べて、自分の大学からその会社に入った先輩がいるかどうかは、自分で調べられるはずです。採用実績に自分の大学の名前があれば、大学名だけを理由にその会社を外す根拠はなくなります。名前がない場合も、その大学からの応募がなかっただけ、ということもあり得ます。
大学名で応募先を外す前にやること
STEP1
外そうとしている会社の採用実績を調べる
「うちの大学じゃ無理」と思った会社について、自分の大学からの採用実績を調べます。就職情報サイトの企業ページには採用実績校が載っていることが多く、大学のキャリアセンターでも、先輩たちの就職先のデータを見せてもらえる場合があります。
3つのステップの中で、この採用実績を調べることがいちばん大事です。自分の大学の名前があれば、その会社を大学名だけで外す理由はなくなります。名前がなくても、すぐに外さず、2と3に進みましょう。
次のステップで使うもの 会社ごとの採用実績
STEP2
外したい理由を大学名以外にも書き出す
大学名で外そうとした会社を並べて、ほかにも気後れしている理由がないかを書き出します。「業界のことをよく知らない」「面接で何を話せばいいか分からない」といった理由が出てくるかもしれません。
こうした理由は、業界を調べたり、自分の経験を振り返ったりすることで準備できます。大学名とは別の理由が見えてくれば、受けるために何を準備すればいいのかがはっきりします。
次のステップで使うもの 大学名以外の気後れの理由
GOAL3
大学名以外のところで見てもらう準備をする
OB・OG訪問で社員に会う、インターンシップに参加する、就職ナビや合同説明会など広く開かれた窓口から応募する、といった方法で、その会社と接点をつくります。
『絶対内定』では、学歴が不利な状況から内定した人の共通点として、自己分析や企業研究に加え、筆記試験で高得点を取るための勉強やTOEICのスコアを高める努力を怠らなかったことを挙げています。大学名以外で自分を伝えられる準備をしておけば、どの会社を受けるときにも、その準備が生きてきます。
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学歴フィルターがあるかどうかは、会社によって違い、外からはなかなか分かりません。それでも、自分の大学からの採用実績を調べたり、社員に会いに行ったりして、確かめられることはあります。
大学名を理由に外した会社のなかに、本当は行きたかった会社が残っていないか、リストを見直してみてください。
その会社のどこに惹かれていたのかを自分の言葉で書き出しておけば、大学名とは別のところで、受けるかどうかを決められます。
(参考)
*1: 日本労働組合総連合会|就職差別に関する調査2026
*2: HR総研(ProFuture株式会社)|ターゲット校採用をしている大手企業は56% /HR総研:2018年新卒採用動向調査 結果報告



