夏のインターンが終わって、次に何から手をつけるかが決まらない。ESも書き直したいのに、どこを直すべきかが分からない。そんなとき、ITパスポートや簿記、宅建の参考書が目に入る。「資格は取っておいて損はない」と、先輩からも聞いていた。
資格は、持っていれば就活で有利になると考えられがちです。ただ、企業が採用でどのくらい資格を重視しているのか、面接で資格がどう扱われるのかまで確かめてから勉強を始める人は、それほど多くないかもしれません。
この記事では、企業の採用基準と学生のアピールについての調査をもとに、就活のために資格を取る前に考えておきたいことをまとめます。
採用基準で取得資格を重視する企業は19.8%
『就職白書2026』では、2学年上の2026年卒の採用を行った企業などに、新卒採用の基準として重視する項目を複数回答で聞いています。「取得資格」を挙げた企業は19.8%でした*1。
「その他」を除く25の項目のうち、取得資格は11番目です。上位は「人柄」93.8%、「自社への熱意」73.4%、「今後の可能性」71.0%で、「アルバイト経験」の31.4%や「基礎学力」の30.6%も、取得資格を上回っています*1。
従業員規模別に見ると、取得資格を挙げた企業は、300人未満では22.7%、5,000人以上では11.3%でした*1。
取得資格を採用基準として重視する企業は約2割で、人柄や熱意を挙げる企業と比べると少数です。重視する項目に挙げていないからといって、資格をまったく見ないとは限りませんが、資格だけで評価が決まるわけでもありません。
面接で取得資格をアピールした学生は14.2%
同じ調査で、学生に面接などでアピールした項目を聞くと、「取得資格」を挙げた学生は14.2%でした。「アルバイト経験」は46.1%、「人柄」は40.9%です*1。
面接で資格を前面に出した学生は少数で、多くの学生はアルバイトや人柄など、ほかの経験を話しています。資格の欄が空いていても、面接で話す材料がなくなるわけではありません。
面接で聞かれるのは資格を取った理由
資格の名前や点数は、履歴書やESを見れば分かります。面接官が面接の場で聞けるのは、その先のこと。なぜその資格を取ろうと思ったのか、勉強して何が分かったのか、ということになるでしょう。
『絶対内定』では、「なぜ、この資格を取ろうと思ったのですか」と聞かれたときに、その分野に興味を持ったきっかけや、資格で得た知識を仕事でどう生かしたいかまで話せるようにしておくことをすすめています。就活のためだけに取ったことが明らかな資格は、比較的高得点でもあまり差別化の要因にならない、とも書かれています。
資格が面接で話の材料になるのは、取った理由を自分の経験から話せるときです。資格を取ること自体より、なぜ取るのかが自分の中ではっきりしているかどうかが問われます。

資格の勉強を始める前にやること
取ろうとしている資格ごとに、なぜ取りたいのかを書き出します。いつ、どんな経験からその分野に興味を持ったのか、勉強して何を知りたいのか、仕事でどう生かしたいのかまで書けるかを確かめましょう。
「不動産の仕事に興味があり、宅建の勉強で業界の仕組みを知りたい」のように、自分の経験や志望とつながる理由が書ければ、面接で聞かれたときにもそのまま話せます。3つのステップの中で、この理由を書き出すことがいちばん大事です。
次へ資格ごとの取りたい理由
志望先の募集要項を開き、「応募資格」や「必須資格」の欄を確かめます。医師や看護師、薬剤師のように、資格がなければ就けない仕事もあります。こうした仕事を志望している場合は、その資格の取得が何より先です。
TOEICのスコアのように、業界によっては英語力の目安として見られるものもあります。『絶対内定』では、商社やコンサルティング、広告などの大手企業を志望する人には、スコアを上げておくようすすめています。志望先で何が求められているかを確かめてから勉強を始めれば、時間をかける資格を選びやすくなります。
次へ志望先で求められている資格
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1で理由が書けなかった資格や、2で志望先から求められていないと分かった資格は、いったん保留にします。そのぶんの時間で、自分がこれまで何に興味を持ち、何に打ち込んできたのかを書き出してみましょう。
自分が何に興味を持ってきたのかが見えてくると、本当に取りたい資格があるかどうかも判断しやすくなります。取ると決めた資格があれば、その理由ごと面接で話せるはず。
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「取っておいて損はない」という言葉どおり、資格そのものが就活で不利に働く場面は、あまりないものです。けれども、面接で資格が話の材料になるかどうかは、取った理由を自分の言葉で話せるかどうかにかかっています。
参考書を買う前に、その資格を取りたい理由を書き出してみてください。
資格を取りたい理由を自分の経験から言葉にできれば、資格は面接で自分を伝える材料になります。理由が書けないときは、資格より先に、自分が何に興味を持ってきたのかを振り返ってみましょう。
(参考)
*1: インディードリクルートパートナーズ リサーチセンター(旧・就職みらい研究所)|『就職白書2026』データ集



