内定が出た。承諾の連絡も済ませて、周りからは「おめでとう」と言われた。就活は終わったはずなのに、夜になると落ち着かない。「内定はゴールじゃない」という言葉は、何度も聞いてきた。分かっている。でも、次に何を目指せばいいのかは、どこにも書いていない。
内定が出たあとの話題といえば、入社までに何をしておくかという過ごし方の話が多いようです。次に目指すものがそもそも見えない、という悩みは、あまり取り上げられていないかもしれません。
この記事では、内定のあとに感じる落ち着かなさについて、「次のゴール」という点から考えてみます。
これまでのゴールは学校や制度が決めていた
これまでのゴールを思い出してみてください。学年の終わりには進級があり、学期ごとに定期試験があって、その先には受験や卒業が待っていました。就活にも、エントリーの締切や面接の日程がありましたよね。
どれも、自分で決めた日付ではなかったはずです。次のゴールを、学校や制度が日付つきで用意してくれていました。
入社すると、次のゴールを日付つきで用意してくれる仕組みは、ほとんどなくなります。会社には昇進や異動がありますが、それは会社が決める日程です。あなたが目指したい状態として置かれたものとは限りません。
結婚や起業を思い浮かべる人もいるでしょう。けれど、それも人生の途中にある一つの地点で、その先で何を目指すのかは、やはり誰も決めてくれません。
自分でキャリアを考えたい学生は78.5%
『就職白書2026』では、就職先を決めた2026年卒の学生に、入社予定の会社でのキャリアプランをどう考えるかを聞いています。「自分でキャリアプランを考えていきたい」と「どちらかというと自分でキャリアプランを考えていきたい」を合わせると、78.5%でした*1。
8割近くの学生が、キャリアは自分で考えていきたいと答えていることになります。
とはいえ、「考えていきたい」と思っていても、いつまでにどうなっていたいのかを決めておかないと、何を考えればいいのかが定まりません。気持ちはあっても、考える手がかりがないまま入社を迎える人もいるはずです。

ゴール自体を自分で定める必要がある
ここから先は、ゴール自体を自分で定める必要があります。そして、それを続けるための仕組みも、自分で作る必要があります。
大人になると勉強が続かない、という話をよく耳にしますよね。学生のころは、授業やテスト、入試が、勉強の目標を外から決めてくれていました。社会に出ると、その仕組みがなくなってしまう。勉強が続かなくなるのは、意志が弱くなったからというより、仕組みがなくなったことが大きいのでしょう。
次のゴールも同じです。決めてくれる人がいないなら、自分で置くしかありません。置いたゴールをいつ確かめるかも、自分で決めておく必要があります。
北極星とその途中に置く灯台
ゴールの置き方は、北極星と灯台にたとえると分かりやすくなります。
北極星は、どれだけ歩いても近づくことはありませんが、進む方角を教えてくれます。自分は何のために働くのか、誰に何を届けたいのかという志は、この北極星にあたるものです。就活の自己分析で見つけてきたものを、思い出してみてください。北極星があるから、どちらに進めばいいのかを見失わずにすみます。
とはいえ、北極星だけを見ていても、いまどこまで来たのかは分かりません。そこで必要になるのが灯台です。灯台は、近づくにつれて周りの景色がはっきりしてきますし、着いたら、そこから次の灯台が見えます。
折りにふれて自己分析をし直し、いまの自分を確かめる機会が、この灯台にあたります。

決めた日にゴールを見直している卒業生
我究館では、将来の自分の姿を描いた図を「我究図」と呼んでいます。就活中に描いて終わりにせず、卒業後も見直し続けている卒業生がいます。
ある卒業生は、仲間と一緒に、我究図を定期的に見直しています。誕生日や年末など、見直すタイミングを決め事にしている卒業生もいるそうです。就活で立てた志を確かめて、必要なら書き換えるための決め事で、縛られるためのものではありません。
社会人3年目の卒業生6人が、合宿をしたこともありました。将来のビジョンをもう一度シェアし合い、過去の話をして、あとは運動や温泉を楽しんだそうです。本音で話せる間柄なので、悩みも本音で相談できたといいます。
どちらの卒業生も、就活で立てた志を決めた日に確かめて、必要なら書き換えています。北極星を持ったまま、決めた日ごとに灯台に立ち寄っているともいえるでしょう。
入社前にやっておくこと
1STEP 1
我究図を開いて北極星を書き出す
就活で描いた我究図や、自己分析で書き出したものを開いてみましょう。そのうえで、自分は何のために働きたいのか、誰に何を届けたいのかを、いまの言葉で書き出しておきます。うまい言葉でなくてかまいません。
まだはっきりしない人は、就活のときに「これだ」と感じた言葉を書き写すところから始めてみてください。
3つの準備の中で、北極星を書き出すことがいちばん大事です。2と3は、この北極星をもとに進めます。
NEXT ▶書き出した北極星
2STEP 2
灯台にあたる見直しの日を決める
誕生日や年末、入社1年目の終わりなど、北極星と我究図を読み返す日を決めて、カレンダーに入れておきます。その日に自分がどういう状態でいたいかも、書き添えておきましょう。
読み返す日には、北極星の方角に進めているか、いまの自分はどこにいるのかを確かめます。気持ちが変わっていれば、書き換えてかまいません。見直す日をカレンダーに入れておくこと自体が、ゴールを続けるための自分の仕組みです。
NEXT ▶カレンダーに入れた見直しの日
3STEP 3 ・ GOAL
北極星と灯台を一緒に見直す相手を決める
書き出した北極星と、見直しの日にどうなっていたいかを、誰かに見せてみましょう。同期でも、我究館で一緒だった仲間でも、先輩でもかまいません。見直す日に、その人と一緒に読み返す約束をしておくと、続けやすくなります。
本音で話せる相手と北極星と灯台を共有しておくと、ゴールを一人で抱え込まずにすみ、見直す日も守りやすくなるはずです。
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内定は、学校や制度が日付つきで用意してくれるゴールとしては、最後のものかもしれません。ここから先のゴールは、自分で置いていくことになります。
ゴールを置くには、自分がどこに向かいたいのかという北極星が要ります。そして、その途中で自分の位置を確かめる灯台も欠かせません。どちらも、自分と向き合う時間の中で見えてくるものです。
内定が出たいま、就活で描いた我究図をもう一度開いて、北極星を確かめ、次の灯台を書き足してみてください。
(参考)
*1: リクルート リサーチセンター(旧・就職みらい研究所)|『就職白書2026』データ集



