秋冬インターンの募集が始まって、応募先のリストを作っている。「参加さえできれば、早期選考に呼ばれるはず」。そう考えて、参加できそうな枠から順に埋めていく。
秋冬のインターンでは、どこに参加できたか、何社に参加したかが話題になりやすいものです。参加しているあいだに何を確かめるかまでは、あまり考えないまま応募している人もいるかもしれません。
この記事では、インターンの制度と企業側の調査をもとに、秋冬インターンに応募する前に考えておきたいことをまとめます。
採用に使える情報はタイプ3のインターンシップに限られる
インターンシップの扱いは、2022年に文部科学省・厚生労働省・経済産業省の「基本的考え方」が改正され、2025年3月に卒業する学生から新しいルールが適用されています*1。企業や大学が行う学生のキャリア形成支援の取り組みは、四つのタイプに分けられました。タイプ1はオープン・カンパニー、タイプ2はキャリア教育で、タイプ3が汎用的能力・専門活用型インターンシップ、タイプ4が高度専門型インターンシップ(試行)です*1。
このうち、企業がプログラムで得た学生の情報を採用に使えるのは、タイプ3のインターンシップに限られます。使えるのも、卒業前年度の3月以降は広報活動に、卒業年度の6月以降は採用選考活動に、と時期が決められています*1。
タイプ3には要件があります。実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てること、社員が学生を指導して終了後にフィードバックを行うこと、汎用的能力活用型なら5日間以上であることなどです。募集要項には、「採用活動開始以降に限り、インターンシップを通じて取得した学生情報を活用する旨」を書くことになっています*1。
ただし、学生が自分で提出したエントリーシートなどに、参加の事実やフィードバックの結果が書かれている場合は別です。企業はそれを、ほかの書類と同じように使ってかまわないとされています*1。
『就職白書2026』によると、2028年卒を対象にプログラムを実施する予定の企業では、オープン・カンパニーを予定している企業が87.1%でした。タイプ3のインターンシップは32.6%にとどまっています*2。企業が用意するプログラムの多くは、採用に情報を使えないオープン・カンパニーということになります。

企業がプログラムを行う目的と参加後の案内
同じ調査で、企業にプログラムを実施する目的を複数回答で聞くと、最も多かったのは「仕事を通じて、学生に自社を含め、業界・仕事の理解を促進させる」で82.3%でした。「入社意欲の高い学生を絞り込む」は50.6%、「採用を意識し、学生のスキルを見極める」は40.0%、「採用に直結したものとして実施」は36.3%です*2。
約半数の企業が、プログラムを、入社意欲の高い学生を絞り込む場としても使っています。
ただ、内定者のうち自社のプログラムに参加していた学生の割合は、企業ごとの平均で36.3%でした*2。内定者の6割あまりは、その会社のプログラムに参加していなかったことになります。
キャリタスが1学年上の2027年卒の学生に行った調査では、参加したプログラムのうち、参加後に企業から何らかのアプローチがあったものが83.2%でした。最も多かったのは「早期選考の案内」で61.1%です。類型別に見ると、タイプ3の汎用的能力活用型インターンシップで67.1%、オープン・カンパニーでも59.6%ありました*3。
早期選考の案内は、半日のプログラムでも多くの参加者に届いています。案内が届いたことが、そのまま評価されたことを意味するとは限りません。

夏の手応えのなさを振り返る
我究館のコーチによると、夏のインターンを「不完全燃焼だった」と振り返る学生は多いそうです。手応えのなさには、応募や参加の数が足りなかった場合と、参加はしたけれど噛み合わなかった場合があるといいます。
噛み合わなかったと感じた人は、それが「嫌だった」のか、「いいんだけど、ついていけなかった」のかで、次にやることが変わります。「嫌だった」なら、業界や社風が合わなかったのかもしれず、次は応募先を変えることになるでしょう。「ついていけなかった」と感じた場合は、やりたい仕事なのに、自分の側に足りないものがあったということです。コーチによると、後者の学生も少なくないそうです。
夏の手応えのなさの中身を分けておくと、秋冬にどこへ応募し、何を準備すればいいのかが見えてきます。
秋冬インターンに応募する前にやること
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秋冬のインターンは、参加できたかどうかだけで終わらせるには、もったいない機会です。応募する前に夏の手応えを振り返り、その仕事と自分の過去のつながりを考えておくと、参加中に確かめたいことがはっきりします。
応募先のリストを埋める前に、まず自分のこれまでを振り返る時間を取ってみてください。
秋冬インターンの準備は、応募先を探す前の自己理解から始まります。
(参考)
*1: 文部科学省・厚生労働省・経済産業省|インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(新旧対照表)
*2: リクルート リサーチセンター(旧・就職みらい研究所)|『就職白書2026』データ集
*3: 株式会社キャリタス|キャリタス就活 学生モニター2027 インターンシップ等に関する特別調査



