「就活の軸を決める」とはなんなのか。あなたの “これまで” で振り返る、自分の基準について

就活ノウハウ
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エントリーシートの設問に「あなたの就活の軸を教えてください」とある。面接でも、最初の数分で「企業選びの軸は何ですか」と聞かれる。ノートを開いて、業界の名前と、勤務地と、「成長できる環境」を並べてみる。どれも嘘ではないのに、口に出すと自分の言葉に聞こえないはずです。

就活の軸の話は、「まず軸を決めよう」から始まります。業界を絞り、条件を並べ、優先順位をつける。軸は、これから作るものとして扱われています。

就活の軸は、いまから作るものではありません。あなたはこれまでに、大学も、学部も、部活も、アルバイトも、ゼミも、何かの基準で選んできました。面接で聞かれている軸は、その基準を言葉にしたものです。

軸として選ばれている言葉

2026年卒の学生が、就職活動を始めた時点で企業選びで最も重視した条件は、業種が23.6%、勤務地が19.1%、職種が14.8%、給与水準が11.8%でした*1。

軸として選ばれているのは、業種、勤務地、職種、給与という、選択肢の名前です。どれも「何を選ぶか」の答えで、「なぜそれを選ぶか」の答えにはなっていません。

決めたあとに残るもの

同じ調査で、就職先を決めた学生に「就職先を確定するにあたり、自分が重視する基準が分からなかった」が当てはまるかを聞くと、当てはまる、どちらかというと当てはまる、を合わせて46.1%でした*1。

就職先を決め終えた学生の半数近くが、自分の基準が分からないまま決めています。業種も勤務地も選び、内定も取り、入社先も決めた。その先で、基準の欄だけが空いたままになっています。

業種や勤務地は、選択肢に付いている名前です。どの名前を選ぶかを決める基準は、選ぶ人の中にしかありません。選択肢の名前をいくら並べても、基準の欄は埋まりません。

『絶対内定』では、面接の「企業選びの軸は何ですか」という質問を、どんな基準で企業を選んでいるのか、その意思決定の過程と価値観を見極めるための質問だと説明しています。ありきたりな軸でも、背景にある価値観まで示せれば説得力が出る、とも書いています。面接官が聞いているのは業種の名前ではなく、その名前を選んだあなたの側の基準です。

 

軸はすでに何度も使っている

大学を選んだとき、いくつかの候補があったはずです。学部を決めたとき、部活かサークルかを決めたとき、アルバイトを選んだとき、ゼミに入ったとき。どの場面でも、複数の選択肢から一つを選び、残りを選びませんでした。

そのとき、理由を言葉にしていなくても、基準は動いていました。「人と一緒に動けるか」「自分で決められる範囲が広いか」「知らないことに触れられるか」。同じ人が選んできたので、場面が変わっても同じ基準が繰り返し働きます。その共通する基準が、就活の軸です。

就活の軸を新しく作ると、この履歴と関係のない言葉になります。「成長できる環境」と書いた人に、面接官が「これまでに、成長できる環境を選んだ経験はありますか」と聞くと、答えが過去のどこにもつながらない。作った軸は、背景を聞かれた時点で止まります。

我究館の面談では、志望業界を聞く前に、これまでの選択を一つずつ確かめます。どういう軸で、どういう選択肢の中から、なぜそれを選んだか。大学選びから始めて、部活やアルバイトまで並べると、本人が思っていなかった共通点が出てきます。『絶対内定』のES作成の手順でも、最初のステップは「過去、現在、未来における自分の軸を探す」に置かれていて、企業研究はそのあとです。

軸は、探せば見つかるものです。作る必要はありません。探す場所は業界地図の上にはなく、自分がすでに選んできた場面にあります。

「就活の軸」を過去から組み立てる

1. 選ばなかった側も含めて選択を書き出す

大学、学部、部活やサークル、アルバイト、ゼミ、留学や休学をしたかどうか。それぞれについて、何と何の中から、何を選んだかを書きます。選んだものだけでなく、選ばなかった側も書く。

三つの中で、この一覧がいちばん重要です。基準は、選んだものの中より、選んだものと選ばなかったものの差に現れます。選んだ側だけを書いていると、なぜもう片方ではなかったのかを考える材料が残りません。

2. 選んだ理由に共通する言葉を探す

一覧の各行に、選んだ理由を一行だけ書きます。うまい言葉でなくてかまいません。そのときの実感を、思い出せる範囲で書きます。

書き終えたあと、行をまたいで同じ言葉が出ていないかを見ます。二つ以上の場面で同じ理由が出ていれば、それが軸の候補です。『絶対内定』では、軸が生まれた背景を、家庭環境、地域環境、教育環境の三つから見ていくことをすすめています。一覧に出た共通の言葉が、どの環境から来たかまでたどれると、面接で背景を聞かれても答えが続きます。

3. 業種と条件は軸のあとに置く

軸が言葉になったら、それを実現できる業種を考えます。業種を考えるのは、この段階が最初です。一つの軸から、業種は複数出てきます。『絶対内定』の例では、「人の心を動かす仕事がしたい」という軸から、広告、テレビ、ネットの業界が候補に挙がります。手段は違っても、思いは同じです。

面接では、「軸は〇〇です。だから、△と□の業種を見ています」の順で話せます。業種から先に言うと、「なぜその業種か」に業種の説明で答えることになり、自分の側の基準が最後まで出てきません。

作ろうとすると名前しか出てこない

就活の軸をいまから作ろうとすると、出てくるのは業種と勤務地と条件の名前です。それは選択肢であって、基準ではありません。

基準は、あなたがこれまでに選んできた場面に、言葉になる前の形で残っています。面接で聞かれる前に、書く前に、その場面を並べて共通する言葉を探すところから、就活の軸は見えてきます。


(参考)

*1: リクルート リサーチセンター(旧・就職みらい研究所)|『就職白書2026』データ集(学生調査: 2025年11月20日〜12月8日、民間企業等を対象に就職活動を行った2026年卒予定の大学4年生・大学院2年生1,326人。「就職活動開始時点で企業選びで最も重視した条件」は学生全体1,326人の単一回答、「自分が重視する基準が分からなかった」は就職先確定者1,165人の単一回答)

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監修者プロフィール

絶対内定ラボ編集部

『絶対内定』シリーズは、日本で最初の就職・転職活動支援スクールである我究館による発行本です。大学生協18年連続売上第1位の一番売れてる自己分析本で、人気・難関企業への多数の採用実績をもとに、「何をすれば内定するのか」を具体的に提示しています。