「見せ方モード」の自己分析が、あなたの強みを消している

「見せ方モード」の自己分析が、あなたの強みを消している 就活ノウハウ
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「自分の強みは何ですか?」

就活で何度も聞かれるこの質問に、自信を持って答えられる人は多くありません。

「自分には誇れる実績がない」「これといった特技もない」。そう感じて、手が止まってしまう。就活で最もよくある悩みのひとつです。

ただ、見つからないとき、探し方を変えると見えてくることがあります。

強みは、どんな人にもある

強みというと、華やかな実績や受賞歴を思い浮かべるかもしれません。

でも、リーダー経験がなくても、留学をしていなくても、強みはあります。

就活ノウハウでよく言われるのは、小さな経験を振り返れ、周りの人に聞いてみろ、ということです。それ自体は正しい。

それでも、やってみたけれどピンとこなかった、友人に聞いてもしっくりこなかった、という人がいます。なぜでしょうか。

「見せ方モード」で探していないか

多くの人は、強みを「面接でアピールするための材料」として探しています。企業に刺さるネタはないか。他の学生と差がつくエピソードはないか。

つまり、自分を良く見せるための材料探しになっている。この探し方を、仮に「見せ方モード」と呼んでみます。

見せ方モードには、入り口があります。

たいていは「自己PR 書き方」で検索するところから始まる。すると、テンプレートが出てきます。「私の強みは○○です。それを発揮したのは△△の経験です」。なるほど、と思って、自分の過去からそのテンプレートに当てはまる経験を探し始める。

ここで起きていることは、自分を知ろうとすることではなく、枠に当てはまる材料を探すことです。

リーダー経験、数字で語れる成果、困難を乗り越えたエピソード。そういう「就活受け」しそうな材料を、自分の過去から引っ張り出そうとする。

見つからないと焦ります。「自分にはアピールできるものが何もない」と感じる。でも実際には、何もないのではなく、テンプレートに当てはまるものがないだけかもしれません。

そして無理やり何かを捻り出して、面接で語る。でも、自分でもしっくりきていないから、言葉に力が乗らない。面接官にも伝わらない。

「もっとアピールを磨かなきゃ」と思って、さらに見せ方を工夫する。けれど、もとになっている強み自体が自分のものではないので、磨けば磨くほどどこか空回りしていく。

見せ方モードの厄介なところは、一見すると真面目に自己分析をしているように見えることです。

テンプレートを使い、過去を振り返り、エピソードを整理している。形は整っている。でも、探しているものの向きが違う。自分を知ろうとしているのではなく、相手に良く映る材料を集めようとしている。

その向きの違いが、最後まで尾を引きます。

見せ方モードが、あなたの良さを消してしまう

見せ方モードの問題は、強みが見つからないことだけではありません。

あなたが本当に持っている良さを、自分で消してしまうことにもなりかねないのです。

就活で評価されそうなものだけを探していると、それ以外のもの――自分でも気づいていないような、静かな良さ――が、「これは使えない」と最初から捨てられてしまいます。

でも、捨てたそれこそが、あなたの本当の強みかもしれないのです。

人は、実は自分のことを本当には分かっていません。自分が何に喜びを感じるか、何に心が動くか。それすら、意外と見えていないものです。

だからこそ、腰を据えて、深く自分と向き合う必要があります。

たとえば、ある人は水泳クラブでトップチームに入れたことが、人生でいちばん嬉しかった経験だと言います。

でも、別の人にとっては、文化祭の裏方で段取りを組んで、当日みんなが楽しそうにしているのを見た瞬間が、何より嬉しかったかもしれない。

この違いは、優劣ではありません。特性です。

何に喜びを感じるかは、人によって違う。そして、その特性が生きる場所というのが、必ずあります。水泳のトップチームに喜びを感じる人と、裏方の段取りに喜びを感じる人とでは、活躍できる場所が違う。どちらが上でも下でもなく、ただ、向いている方向が違うのです。

この「自分は何に喜びを感じる人間なのか」を掘り下げていくと、やがて、自分だけのテーマが見えてきます。

強みは、自分のコアから生まれる

強みとは、自分がどこで、どう価値を届けられるかの手がかりです。

仕事は誰かに価値を届けることですから、強みは「自分は何を通じて貢献できる人間なのか」を知るためのものになります。

そしてその強みは、過去の経験のなかにあります。

幼い頃から繰り返してきたこと。自然と人より得意だったこと。頼まれなくてもつい手を出してしまうこと。

これまでの人生で、仲間にどんな貢献をしてきたか。どんな場面で頼られたか。こうした過去の経験のなかに、自分がこれからも追いかけたい人生のテーマがあります。

我究館では、このテーマのことを「コア」と呼んでいます。自分は何者なのか。何を大切にして、何に心が動く人間なのか。その答えです。

コアが見えてくると、強みも自然と見えてきます。

コアから出てきた強みは、面接のために作ったものではないので、語るときに嘘がありません。自分の経験に沿っているから一貫性がある。無理に盛る必要がない。だから、言葉の説得力が変わってきます。

『絶対内定』に、こんなエピソードがあります。

ある学生は、新卒で商社に挑戦しましたが、かないませんでした。どうしても商社に行きたかったその人は就職留年を選び、徹底的に自己分析をやり直しました。

結果、五つの商社から内定を得ています。

何が変わったのか。本人いわく「圧倒的に自己分析」だと。前年と比べ、自分が何者で、どこで力を発揮できるかが見えていた。企業が見ていたのは、実績やタイトルではなく、自分自身を深く理解して進化した「人物そのもの」だったのです。

探し方の実務

過去の貢献を振り返ることから始めます。

何が得意だったかよりも、何を通じて人の役に立ってきたかに目を向けてみてください。アルバイトでも、サークルでも、ゼミでも、部活でも、どんな場面でも構いません。

頼られた経験はなかったか。感謝された経験はなかったか。一つずつ書き出してみてください。

ここで大切なのは、謙虚になりすぎないことです。「こんなの大したことない」と切り捨ててしまうと、本当の手がかりを見落とします。

あわせて、他人にも聞いてみます。自分では気づかない強みというものがあるからです。「自分はどんなときに頼りにされているか」を、周囲の人に聞いてみてください。

ただし、他人の評価をそのまま受け取るのではなく、自分のコアと照らし合わせてみることが大切です。言われたことが自分の中で腑に落ちるかどうか。ピンとくるものと、こないものがあるはずです。

ピンとくるものの先に、コアがあります。

そこまでできたら、言語化です。見つかっても、説明できなければ伝わりません。

強みがない人は少ないのですが、強みを説明できない人は多い。これは能力の問題ではなく、言語化のトレーニングの問題です。

仲間や社会人訪問の場で、自分の強みについて質問してもらう。相手に伝わるかどうかを実際に試してみる。言語化の精度は、この行動量に比例します。

準備した人だけが、落ち着いて語れるようになります。

強みは、自分が活躍できる場所を見つけるためにある

強みを知ることには、面接を超えた意味があります。

自分がどこで、どう価値を届けられるかを知ること。自分が活躍できる場所を見つけること。強みは、そのための手がかりです。

我究館の創業者である杉村太郎は、新卒で住友商事を選んだ理由のひとつに「自分と似たタイプの人が少なく、自分の強みが大いに生かせると考えたから」と書いています。

周囲からは別の商社を勧められたそうですが、自分の強みがどこで活きるかを基準にして、舞台を選んだ。強みとは、まさにそのための判断材料です。

コアから出てきた強みは、面接のためだけでなく、入社してからも、その先の人生でも、自分の判断の拠りどころになります。

どんなことでも構いません。まずは、これまでの人生で自分が誰かの役に立てた場面を、ひとつ思い出すところから始めてみてください。

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監修者プロフィール

絶対内定ラボ編集部

『絶対内定』シリーズは、日本で最初の就職・転職活動支援スクールである我究館による発行本です。大学生協18年連続売上第1位の一番売れてる自己分析本で、人気・難関企業への多数の採用実績をもとに、「何をすれば内定するのか」を具体的に提示しています。