夏のインターンに出した書類のうち、いくつかは通らなかった。秋になって、次の募集が並び始めている。開いてはみるものの、出すところまで進まない。「後期の授業も始まったし、いまは忙しいから」。そう言って、画面を閉じる。
秋の就活というと、次にどこへ応募するかの話が中心になりがちです。応募しようとしても手が止まってしまう、という悩みは、あまり取り上げられていないかもしれません。
この記事では、夏に通らなかった経験のあとで、秋に手が止まってしまう理由と、もう一度動き出すためにできることを考えてみます。
10月の忙しさと前向きになれない気持ち
マイナビが1学年上の2027年卒の大学生・大学院生に行った調査では、2025年10月にインターンシップなどのキャリア形成活動に参加した学生は57.0%でした。前の月より19.6ポイント下がっています*1。
マイナビは、この低下について「10月からは授業や課題が始まることから、キャリア形成活動の時間確保が難しくなったことが参加率低下の要因と推察される」としています*1。
後期の授業が始まる10月は、多くの学生にとって、就活に使える時間が実際に減る時期です。忙しいと感じるのは、気のせいではありません。
同じ調査で、いまインターンシップや仕事体験に参加したいと思わない学生は8.4%でした*1。
その136人に理由を複数回答で聞くと、最も多かったのは「学業が忙しい」で49.1%です*1。
また、「参加に前向きな気持ちになれない」を選んだ学生も21.4%いました*1。人数の少ない集計ですが、忙しさのほかに、気持ちの面で前に進めない学生もいることが分かります。前向きになれない理由までは、この調査からは分かりません。

理由の分からない不通過が重なると手が止まる
キャリタスが同じ2027年卒の大学3年生に行った調査では、2025年9月の時点で、5日間以上のプログラムに「応募したが参加していない」学生が21.6%いました*2。
選考に通らなかった人のほか、日程が合わなかった人なども含まれる数字です。それでも、秋に次の募集を開いている学生の中には、夏に応募して参加までたどり着けなかった経験を持つ人が少なくないことがうかがえます。
選考に通らなかったとき、企業から理由が届くことはほとんどありません。届くのは結果だけです。理由が分からないままだと、次も前と同じ書類を、同じ出し方で出してしまいやすくなります。
我究館のコーチの一人は、秋にこういう学生に会うことがあるといいます。夏に10社出して、8社か9社は通らなかった。原因が分からないまま、同じやり方でまた出している学生です。
そのコーチは、こうした学生について、忙しさを理由にしているけれど、本当は疲れて次の一歩が踏み出せなくなっているのだ、と話します。理由の分からない不通過が重なると、次の書類を出す前に気持ちが疲れてしまうことがある、ということです。
分からないと思っていた原因の中には、振り返れば見つかるものもあります。我究館の卒業生には、夏のインターンで寝坊して遅刻し、その会社への出入りを断られた学生がいました。準備や能力とは関係のないところでつまずいた例です。
極端な例ですが、書類でも似たことは起こります。たとえば、提出期限を過ぎていた、募集の対象学年が違っていた、字数を超えて末尾が切れていた、といったことです。
通らなかった理由の中には、自分の中身とは関係のない、手続きの失敗が混ざっていることもあります。それを自分の力不足だと受け取ってしまうと、疲れだけが残ってしまいます。

もう一度動き出すためにやること
1
夏に出した書類を、会社の数ではなく、書類の種類で数えてみます。同じ内容の書類を何社に出したのか、少し直して出した書類はいくつあったのかを書き出してみてください。
10社に出して8社が通らなかったとしても、出した書類が実質1種類なら、見直すのはその一枚です。落ちた回数を8回と数えていると、直すものが8社分あるように感じてしまいます。
3つのステップの中で、この数え直しがいちばん大事です。2と3は、ここで分けた書類をもとに進めます。
2
「忙しい」のほかに、出せない理由がないかを書き出してみましょう。また落ちるのが怖い、何を直せばいいのか分からない、志望動機が書けない、など、思いついたものをそのまま書いてかまいません。
忙しさはすぐには減らせなくても、ここで書き出した理由の中には、自分で手を打てるものがあるはずです。
3
秋に出す社数を、いきなり夏と同じ数に戻そうとしなくてかまいません。出し方を見直したうえで、まずは数社に出してみましょう。
見直す点は、2で書き出した理由に合わせて選びます。書類を自分の経験に結びつけて書き直す、募集要項を最後まで読んでから出す、締め切りより前に余裕をもって出す、といったことです。
少ない社数から出し直すと、一社ごとの書類にかけられる時間が増え、出すたびに疲れをためずにすみます。手応えが戻ってきたら、少しずつ社数を増やしていけば十分です。
***
後期の授業が始まって忙しくなるのは、多くの学生に共通することです。忙しさそのものは、すぐには減らせないかもしれません。
ただ、手が止まっている理由が、忙しさだけでなく、理由の分からない不通過の疲れにもあるなら、変えられるものはあります。夏の書類を振り返り、出し方を見直して少ない社数から出し直すだけでも、次の一歩は踏み出しやすくなるはずです。
書類の中身が自分の経験とつながっているかどうかは、書く前に自分の過去とどれだけ向き合ったかで決まります。手が止まった秋は、自己分析に立ち返って、次の書類の材料を集め直す時間として使えます。
(参考)
*1: マイナビキャリアリサーチLab|2027年卒 大学生キャリア意向調査(10月)<インターンシップ・キャリア形成活動>
*2: 株式会社キャリタス|2027卒・9月後半時点の就職意識調査 ~キャリタス就活 学生モニター2027



