就活生の63.3%が生成AIを使う時代に、自分にしか書けない志望動機を書くには

就活ノウハウ
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締切の前夜、エントリーシートの志望動機の欄だけが空いている。採用サイトを開いて、事業の強みや社風を表す言葉を拾い、それらしい文に組み立てた。

送信ボタンを押したあと、書いたというより「作った」という感覚が残る。

志望動機については書き方の型や例文がたくさん出回っていて、生成AIに下書きを頼む学生もいます。それでも、型をなぞっただけでは「作った」感覚が消えないこともありますよね。

志望動機を作らないと書けないときは、その会社と自分の経験が、まだつながっていない可能性があります。

就職活動で生成AIを使った学生は63.3%

生成AIはもはや、私たちの生活の「日常」になりました。就活の世界でもそれは例外ではありません。数字でもそれは示されています。『就職白書2026』によると、2026年卒の学生のうち、就職活動で生成AIを使った人は63.3%というデータがあります*1。

生成AIを使った学生に使った場面を聞くと、47.7%が「志望動機の作成」を挙げていました*1。

生成AIは、採用サイトや会社案内の言葉を読み込ませると、それを志望動機らしい文の形に組み替えるのが得意です。整った文が、ほんの数秒で返ってきます。

けれど、あなたが部活で何に悔しさを感じたのか、どんな場面で喜びを感じたのかは、採用サイトにも生成AIの中にも書かれていません。その経験を本人が言葉にして入力しない限り、返ってくる志望動機は会社の情報だけで組み立てられます。文を整える速さが上がっても、志望動機に入れる自分の経験が増えるわけではありません。

 

会社の情報だけで組み立てた志望動機

志望動機に使う材料は二つあります。会社の事業や社風といった情報と、自分がこれまでに経験してきたことです。

会社の情報は、採用サイトや説明会で、どの応募者にも同じものが渡されています。「グローバルに活躍できる環境だから」「若手から裁量があるから」のように会社の情報だけで組み立てた文は、同じ会社を受ける誰が書いても成り立ちます。

志望動機に使う二つの材料

MATERIAL 1
会社の情報
・事業の強み
・社風・職場の雰囲気
・制度や成長環境

AIでも書ける

▶だれが書いても似た文になり、埋もれやすい
MATERIAL 2
自分の経験
・あのとき悔しかったこと
・あのとき喜びを感じたこと
・深く印象に残る出来事

自分にしか書けない

▶あなたという人を表現できる

会社の事業を読んでいると、あのとき悔しかったこと、あのとき喜びを感じたこと、深く印象に残る出来事と、つながって見えることがあります。そう見えた会社は、深く考えてみる価値のある場所かもしれません。

面接では志望動機の理由を重ねて聞かれる

面接では、志望動機のあとに「それが、あなたにとってなぜいいのですか」と重ねて聞かれることがあります。会社の情報は面接官もよく知っているので、聞きたいのは応募者自身の理由だと考えられます。

「裁量があるから」と書いた人が、裁量を求めるようになった自分の経験を持っていないと、この質問で答えに詰まってしまいます。会社の情報だけで作った志望動機は、理由を一段深く聞かれたところで止まりやすいのです。

入社予定者の36.6%は当初の第1志望群ではない会社へ

同じ調査で、就職先を確定した学生に、入社予定の会社が就職活動を始めた当初どの位置にあったかを聞いています。当初からの第1志望群は63.4%で、当初は第2志望以下だった会社が20.6%、当初は志望していなかった会社が16.0%でした*1。

入社予定の学生の3人に1人以上は、就職活動を始めたころには第1志望群ではなかった会社に入社を予定しています。

会社のことを知っていく中で、自分の経験とのつながりが見つかることもあるでしょう。だから、会社の資料を読んだ直後に「つながらない」と決めてしまうのは早すぎます。自分の経験を振り返ってから判断しても、遅くはないはず。

「作った」志望動機を見直す3ステップ

STEP
01
志望動機を会社の言葉と自分の言葉に塗り分ける

書いた志望動機を印刷して、会社の資料に書いてある言葉と、自分の経験から出た言葉を、二色のペンで塗り分けます。

自分の言葉の色が一か所でもあれば、そこが会社とのつながりです。そうした会社の志望動機は、ステップ3で書き直します。

3つのステップの中で、この塗り分けがいちばん大事です。どの会社をステップ2に回し、どの会社から書き直しに入るかが、ここで決まります。

STEP
02
自分の色がつかなかった会社について過去を振り返る

自分の言葉の色が一か所もなかった会社は、会社の資料を読み直すのをいったんやめて、自分の過去を振り返ります。悔しかったことや、時間を忘れて取り組んだこと、誰かに言われて引っかかったままの言葉を書き出してみましょう。『絶対内定』のワークシートも、この作業に使えます。

書き出したものと会社の情報を並べてみると、つながる会社が出てくることもあります。

振り返ってもつながらなかった会社は、候補から外すか、そのまま受けるかを自分で決めます。どちらを選んでもかまいませんが、受ける理由が会社の資料の中にしか見つからないなら、もう一度考え直してみる価値はあるはずです。

STEP
03
自分の言葉の一か所から志望動機を書き直す

ステップ1で自分の色がついた言葉や、ステップ2で見つけたつながりを、志望動機の書き出しに置きます。会社の情報は、そのあとに続けます。

「若手から裁量があるから」と書いていた人なら、まず裁量を求めるようになった自分の経験を書き、そのうえで会社の制度に触れる順番に組み替えます。

書き直した志望動機は声に出して読み、「それが、あなたにとってなぜいいのですか」と聞かれたときの答えが、文の中に入っているかを確かめておきましょう。

***

志望動機が書けない夜は、例文を探す前に、自分の経験を振り返ってみませんか。会社の情報は採用サイトで手に入りますが、自分の経験は自分の過去の中にしかありません。

書く前に自分の過去を書き出しておくと、会社の情報を読んだときに、自分とつながるところを見つけやすくなります。


(参考)

*1: リクルート リサーチセンター(旧・就職みらい研究所)|『就職白書2026』データ集(学生調査: 2025年11月20日〜12月8日、民間企業等を対象に就職活動を行った2026年卒予定の大学4年生・大学院2年生1,326人。生成AIの使用状況は学生全体、使用した場面は生成AI使用者840人の複数回答、入社予定企業の当初の志望度は就職先確定者1,165人の単一回答)

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監修者プロフィール

絶対内定ラボ編集部

『絶対内定』シリーズは、日本で最初の就職・転職活動支援スクールである我究館による発行本です。大学生協18年連続売上第1位の一番売れてる自己分析本で、人気・難関企業への多数の採用実績をもとに、「何をすれば内定するのか」を具体的に提示しています。